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ネットワーク

2008.09.23

フィルタリングとDomestic Censorship(仮)

最近、「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」の成立などで、インターネット環境の規制が大きな問題になっている。
特に青少年に対して、違法・有害な情報を届けないようにするために、どういう施策をとるのかということが中心になっている。対策としてあげられているのは、フィルタリング、ブロッキング、教育によるリテラシー向上等で、多くの方はフィルタリングにそれなりに期待しているようだ。
私はフィルタリングを否定するものではないし、強制的ではなく(親が選んで)、あまり情報を規制し過ぎない範囲で行うのは、別にかまわないのではないかと思っている。強制的に、しかも国が決める、というのはどうかと思うけれども。


しかし最近、ちょっとフィルタリングについて考えさせられる話が身近に発生していたので、紹介しておきたい。

私には既に社会に出て5年以上たつ弟がいるのだが、この間久しぶりにあったら、自分のPCで今まで楽しんでいたYouTube等の閲覧が突然できなくなったという。
なんと、いつの間にか同棲中の彼女に勝手にフィルタリングソフトをインストールされていたのだそうだ。
彼女曰く、ポルノサイトとかを見るのは駄目、ということ。

ただ、彼女ももともとPCに詳しいわけではない。多分設定を間違っているのだろう、結果として関係ない動画とかもまとめて規制されてしまっていたわけだ。

で、その後どうしたの、と弟に聞いてみたのだが、未だに見られないままで、解除してくれないそうな。
解除する=ポルノサイトとかを見る=気持ち悪い、につながるらしく、解除に同意してくれないらしい。あとは多分設定を変更しようにも、お仕着せの設定(○歳向けとか)しかわからず、カテゴリとか詳細で設定するなんてことができないんじゃないかな。
「俺のPCなのに」という嘆きに、気の毒にと思いながらも爆笑してしまった。弟よ、お前、とうとうPCまで管理されることになったのか、と。


でも、よく考えてみたらこれって結構怖い話だと思うわけだ。
彼女にPCまで管理されることになるってことは、自分のプライベートがかなり管理されることになりかねない。別にやましいことが無くても、ログとか閲覧されるのはなんか気持ち悪いということもあると思う。それにさらに彼女がIT関連に詳しい人であれば、黙って家庭のルータのところでログを監視しているとか、そういうこともありうるのだろう。
もちろん、大人同士なんだからちゃんと話し合って解決しろよということもあるだろうけど……そもそも突然断りもせずに入れるということ自体がどうかと思うし。

実際にこういう子もいるということは、なんか、このまま青少年向けの有害情報対策でリテラシー教育等を行い、奥様方にフィルタリングソフトの使い方を教えると、まず真っ先に夫のPCに導入するなんて時代が来ることも起こりうるのかなと思ったわけだ。逆もまたあり得るのかな。


こういうのを仮に、「Domestic Censorship」(家庭内監視社会)とでも呼んでみようと思うが、あまりこういう時代にはなって欲しくないなぁと思う。

実際にどの程度こういう事例が発生しているのか、今後発生しようとしているのかは知りたいところだ。
実は既に妻(夫)に規制されているよ、とか、逆に妻(夫)のPCを規制しているよとか、規制したいと思っているよとか、という方がいたら、是非ご意見を伺いたい。


フィルタリングソフトというのは実に使い方とかを選ぶツールだなと改めて思ったエピソードだった。
なお、このエピソードを持って、フィルタリングソフトに反対だというつもりは今のところない。多分に使い方の問題だと思うので。

2007.06.30

インターネットの国境

従来、インターネットは自由な社会、国境のない社会と言われてきたように思う。あるとしても言葉の壁であって、アクセスはできる、というのがよくある話だった。
そしてそれは、今までは感覚的にもそんなものだったんじゃないだろうか。99年くらいの地球病とかそういう話はあったにせよ、比較的どこにでもアクセスできたし、どこからでもアクセスはあったんじゃないか。

だが、最近はインターネットにも国境が生まれつつある。

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2007.06.20

IPv4アドレスの枯渇(2)

 昨日、JPNICからもIPv4アドレス枯渇に関するアナウンスが行われている。
  ・「IPv4アドレスの在庫枯渇状況とJPNICの取り組みについて
  ・「IPv4アドレスの在庫枯渇に関して


 IPv4アドレスが、現在のままでは近いうちに無くなるというのが一致した見解になってきたといえるようだ。
 あとは、この状況に対してどのような対応をするのかだが、IPv6化と、使われていないIPv4アドレスの回収を同時に行っていくということを、JPNICは指向している。
 中でも、今回の発表で面白いのは、下記の部分じゃないかな。


JPNICは、 NATだけで今後長期に渡ってインターネットにおけるアドレス需要が全てまかなえるとは考えていません。


 私は技術に詳しくないので、これが正しいのかどうかがわからない。だから、この辺の根拠がもっと明らかになってこないかな、と思う。
 これが明らかになると、かなりインパクト大きいんじゃないかな。

2007.06.15

IPv4アドレスの枯渇

結構議論になっているみたいなので、知っていることだけでもメモしておこうかな。

まず、IPv4が枯渇する時期についてのデータだが、現在最も正確とされているのは、APNICのGeoff Huston氏が公開している、IPv4 Adress Reportである。この下の方にある、"Figure 30d - Projected RIR and IANA Consumption (/8s) " がよく使われているグラフ。
IPv4アドレスが/8単位(かつてのクラスA)でどれだけプールされているかについて、今までの消費量をもとに算出しているものになる。
現在残っているIANAのプールは、/8が48個。そしてここ数年はだいたい1年に10個くらいのペースで使用されている上に、今年は既に7つもでているという状況から算出したのが、下記の時期というわけだ。

 Projected IANA Unallocated Address Pool Exhaustion: 21-Feb-2010
 Projected RIR Unallocated Address Pool Exhaustion: 28-Sep-2010

この違いだが、IANAというのはインターネットのアドレス番号を管理する中心的な組織、RIRというのは、アジア太平洋、北米、南米、欧州、アフリカのそれぞれを地域のインターネットのアドレス番号を管理する組織になる。
RIRはIANAからアドレスをもらい、それを国別の組織や企業が割り振りを受けて利用するという形をとっているので、最初にIANAの持っているアドレスが無くなり、その後に、RIRが割り振りを受けていたアドレスを割当終えてしまう、ということになる。

ISP等がその時以降アドレスを受け取れなくなるのは、2010年の9月末というわけだ。

まあ、正確にはRIRからNIR(国別の管理組織)が受け取っていてそちらから割当を受けるということもあるので、もう少し後になるかもしれないけれど、まあ、そうたいした差は出てこないんじゃないかな? その国がどれだけプールしているかにもよるけれど。
ではエンドユーザはどうかというと、もっと後になる。各ISPがプールしているアドレスがあるからだ。それによって5年も10年も伸びるかというと、難しい気がするけどね。(根拠無し)

この枯渇という話については、色々と疑問が出ているようだ。NATがあればそれで解決するという声は大きいし、他にも、歴史的にインターネットの最初期に大量に割り振りを受けているところから回収すれば十分に足りるとか、IPアドレスの市場を作ってそこで取引すれば自然と落ち着くとか……。
私にはこれらの手段で解決できるかどうか、技術的・経済的な知識等が足りないのでここでは述べられない。


ただ、IPv4の枯渇に備えるべきという動きが、アドレスを管理する機関で起こりつつあるのは事実だ。
北米のアドレス管理組織であるARINは、先月、次のような宣言を出している。
 "ARIN Board Advises Internet Community on Migration to IPv6"

IPv4はなくなるから、今後もサービスを続けるなら、IPv6への移行を考えておけという感じかな。
ARINではこういう判断が出てきているわけだ。
他にも、各RIR毎にそれぞれ議論は行われているようで、今年末くらいにかけて出そろってくるんじゃないかなぁとおもっているところだったりする。


さて、それではIPv4のアドレスを割り振られなくなるとどうなるのか。
たまに誤解されているけれど、別にアドレスが枯渇したからといって、インターネットが止まる訳じゃない。今あるネットワークはそのまま動かし続けることができる。
困るのは、新しいサービスを行いたいという時だ。新しいノードを増やそうにもアドレスが足りない、ということになるためである。

そして、新しいサービスをIPv6で構築した場合、既存のIPv4のノードからどうやってアクセスするかという問題が起きる。トランスレータというIPv6-IPv4アドレスの変換を行ってくれる機器を利用すればつながるのだけど、大規模にそういうものを用意できるのだろうか、そういうよくわからない話もあったりする。


Geoffの言うとおりならあと3年しかないわけで、枯渇問題を含めたこの辺の議論は、きちんとやっていかなきゃいけないんだろうと思う、今日この頃。
本当は来月のJPNIC Open Policy Meetingに行きたいのだけど、別の予定と重なってどうやっても行けそうにない……。

あ、そうそう、日本語で枯渇問題について述べているのは、下記のJPNIC文書になる。
 「IPv4アドレス枯渇に向けた提言
これはちょうど1年前の物で今とは枯渇予測時期が異なっているけれど、参考になると思うので、この問題について知りたいという人は是非よんでみてはどうだろうか。

2007.01.29

アーカイブ時代

年に数度しか更新しないブログになってしまったが、たまには考えたことでも書こうと思う。

今月の初め、仕事の都合で、ヨーロッパに出張に行ってきた。今回のお目当てについては、そのうちどこかで公開されることもあると思う。

ただ、今日書きたいのはそのことではなくて、フランスに行ったときに聞いた、INAという機関のお話。

フランス国立視聴覚研究所(Institut National de l'Audiovisuel)という機関については聞いたことがある人もいると思う。この機関は、フランスのテレビ映像の収集や、権利処理の窓口機能をもつのだが、去年の春に、そのアーカイブがインターネット上で公開されるという報道が流れたためだ。

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2006.07.17

情報過多時代への対応策

現代は情報が溢れるほどに多く、そして、増え続ける時代となりつつある。
インターネットは、誰もが世界中が見ることのできる形で情報を発信する方法を用意し、それによって爆発的に情報の量が増えつつある。
そして同時に、かつては個人がアクセスできる情報が口コミに新聞や書籍、テレビ程度しか無かったのに、インターネットの普及が無限の情報へのアクセスの道を開いた。

結果として、何かを探そうと思ったとき、何かを知ろうと思ったとき、情報はたやすく手に入れることができるようになった。しかし同時に、情報が多く集まりすぎてそれから必要な情報を選ぶという必要性が生まれている。
さらに言うならば、集まった情報に正確なものがあるかもわからない。ゴミばかりを数千、数万と手に入れ、必要な情報は全然別なところにあるかもしれないわけだ。

どうやって必要な情報を手に入れるのか。そしてそのために必要な作業をどれだけ簡略化できるのかが、重要な問題となりつつある。

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2005.03.18

Last.FMを使ってみる

Last.FM
この間KNNの神田さんに教えてもらったのだが、このサービスはかなり面白い。
これは、自分専用のラジオとSNS機能がミックスしたサービスと言えばいいのだろうか。
自分の選んだ曲をストリーミング配信で聴き続けることができ、また、その選曲リストからその人の趣向にあった曲を配信するという機能を持っている。
他にも同時に自分の選曲と似たような傾向を持っている人を紹介してくれて、その人のリストをきくができたり、ネットワークをつくったりすることもできる。

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2004.11.08

recommuniへの提案

SNSを利用した音楽配信サービスとして誕生したrecommuniだが、あまり利用が延びているようには見えない。この一番の理由は、ダウンロードできる曲数の少なさにあると思われる。
曲を推薦してもなかなかレコード会社の許諾が行われないため、一部のインディーズ作品しか公開されていないというのが現状であり、さすがに186曲しかない(11月8日時点)のでは活発にやりとりしようにもできない。

昨日のP2P交流会の三次会でこれについて話題になり、そこでrecommuniを活発化させるための一つの提案として以下のようなことがでてきた。名称は「のど自慢配信」(仮称)。


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2004.11.07

[mixi]P2P交流会、お疲れ様でした

今日は昼から東大駒場キャンパスでP2P交流会に参加してきました。
Winny問題についての講師を頼まれていたため、これについて簡単な話をしてきました(レジュメ)。

簡単に今までの概要をまとめた後、アメリカと日本ではどのように違うのか、そしてWinnyはどのような理由で訴えられたのかについて話したのですが、法律関連については結構気にしている方が多かったようです。

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2004.04.15

インターネットと核攻撃(続)

インターネットの誤解が広まるきっかけになったと言われているTIMEの記事だが、図書館にあったので見てみた。
問題の記述は、TIME international 1994/07/25 の34~40の"Battle for the Soul of the INTERNET"の数カ所で書かれていた。(ネットに全文も転がっていた


The Internet evolved from a computer system built 25 years ago by the U.S. Defense Department to enable academic and military reserachers to continue to do government work even if part of the network were taken out in a nuclear attack.

この記事に対してテイラーが反論したが、TIME誌はこの記述が正しいとして、テイラーの反論の手紙の掲載を行わなかったのだそうだ。

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