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2007.01.29

アーカイブ時代

年に数度しか更新しないブログになってしまったが、たまには考えたことでも書こうと思う。

今月の初め、仕事の都合で、ヨーロッパに出張に行ってきた。今回のお目当てについては、そのうちどこかで公開されることもあると思う。

ただ、今日書きたいのはそのことではなくて、フランスに行ったときに聞いた、INAという機関のお話。

フランス国立視聴覚研究所(Institut National de l'Audiovisuel)という機関については聞いたことがある人もいると思う。この機関は、フランスのテレビ映像の収集や、権利処理の窓口機能をもつのだが、去年の春に、そのアーカイブがインターネット上で公開されるという報道が流れたためだ。

日本にも川口にNHKのアーカイブがあったりするが、これはインターネット上での公開などもってのほかという状態にある。権利処理がすんだものもあるらしいが、なかなか公開には結びつかない。
それに対して、どうしてフランスでは権利処理とかができたのだろう、と不思議に思っていた。
行った理由としては、フランスの文化侵略の尖兵として……とかそういう理由なんじゃないかと考えていたのだけれど。

で、今回はINAに行くという発想がなく、行き損ねたのだが、フランスでその手の情報に詳しい方にお会いして少しだけ話を聞くことができた。
かなりの数の映像を公開し、既に半年が過ぎているのだが、実際のアクセス数はそう多くないという状況なのだそうだ。これには、そもそもフランスのコンテンツの質がそう高くないことが理由じゃないか、というのが聞いた方の個人的な意見だったけれど……。

ただ、公開しているコンテンツの中にもとてもアクセスが多いものはあるのだという。
それは、政治討論番組だ。フランスは政治討論が好きなお国柄なのか、私がフランスにいる間も、テレビをつければどこかのチャンネルで討論番組をやっていた。フランス語なんで、何を話しているかさっぱりだったが。

で、この政治討論番組が注目されている理由は、政治家の過去の発言を調べるためなのだという。現在、フランスでは次の大統領選挙が注目されているが、その候補者であるサルコジ氏とロワイヤル氏が、過去に討論番組等でどういう発言をしていたか、などが見られているのだとか。

この話を聞いて、これから政治家の評価なども変わりそうだなという気がした。
昔から、政治家の発言内容などというのは過去のものも含めて分析したりできたのだけど、資料が手に入りにくかったりということはよくあった。しかし、インターネット上で全部過去のデータが公開されていれば、検索さえすれば、できるわけだ。
さらには、それぞれの陣営が、相手の主張の変遷をまとめてまとめて公開、なんてこともあるのだろう。
そうなってくると、政治家は自分の信念をしっかり持った上で、意見を変えるときには十分な理由を持って変更していく、ということになるのかな。

これは政治家だけの問題じゃなくて、もっと大きな問題として出てくるのは、メディアなのかもしれない。
メディアが先進的だとして褒めていたビジネスモデルが実は詐欺だった、みたいなことはたまにあるけど、そういう話がみんなの共通認識になってくる。検索すればわかるわけだし、その情報はネット上で共有されるようになるだろうから。
そういう状況になると、大手のメディアはいい加減な取材によるニュースなどはできなくなってくるのではないかなとか。


アーカイブが公開される時代って、色々と変化が起きるのだと思う。
その変化の方向性は、ちょっと注目したいところかなぁ。

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