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2006.07.08

登録制のコンテンツ保護制度

最近、コンテンツ保護のための制度についての議論が熱くなり始めている。
6月30日の日経新聞朝刊に境真良氏の「コンテンツ流通 登録制で」が掲載され、7月2日の同じく日経新聞朝刊「試される司法 第2部・揺らぐルール(上)」では、「デジタルコンテンツ法」なるものが提唱されている。

そして昨日には、真紀奈たんから「知的財産推進計画2006によせて(1)」で、「二階建て制度」について解説がされている。

ネットメディアでは、真紀奈たんも何度か書いていたし、私をはじめ、ロージナ茶会周辺ではよく議論されたり、BLOGにあげたりしていたネタではあるのだが(ココとかココとか)、とうとう新聞にでてくるようになったのかと思うと、結構感慨深いかなと。
もちろん、私たちがこの説を唱え始めた最初の人ではないだろうけれど、関わってきた人間としては。

なんでこのような制度が提案されているかだが、これには複数の理由がある。
私なりにではあるが、少し解説してみよう。

まず根本的な点として、著作権法が何を守っているのかということがある。
著作物がますますビジネス的に重要になっているため、ビジネス的に重要な権利をつくる一方で、文化的な面も保護している。もともと、海賊版対策として作られた法律であるから、ビジネス的な面を守るのは当然としても、死後50年も保護したり、著作者人格権を与えたりというのは、ビジネス的なメリットとは異なるのではないか。
また、基本的に創作者に権利が帰属するという規定も、著作物が著作者の「神聖な」創作行為によって作成されるということからではないだろうか。
しかし、その結果、子供の落書きとか個人の日記とかが死後50年間守られたり、強力な権利を与えられたりするということになっている。

さらに、著作権が無方式に与えられるということも関係する。
どんなコンテンツにも、創作した時点で権利は与えられる。それも、基本的に創作者に権利が与えられる。
そうすると、コンテンツを利用しようと思った際には、権利者と交渉する必要があるが、そもそもその権利者が誰かわからないということが発生する。
しかも、その際に権利者が持っている権利は大きい。一部を利用してコンテンツを作り、その後、差し止められたりしたら被害は大きくなってしまう。
また、全ての著作物に権利が与えられているため、権利が強化されれば、全ての著作物に及ぶ。何もかもが、強力な権利で守られてくるわけだ。そんな必要があるのか、と考えたりもする。

他にも色々と理由はあるが、以上のような状況があっても、権利強化をして欲しいという業界団体の声は強い。
その声自体はわからないわけでもない。が、別に全ての著作物について権利を強化する必要もないだろう。著作物は、ある著作物からの派生という形で発展することが多くあり(これはインスパイア、とか、リスペクト、とか、影響を受けて、とかを含む)、あまり権利を強化しすぎると、著作物が生まれにくくなる状況も現れかねないからだ。
ついでに、権利を保護する代わりに、ビジネス的に損害がない範囲ではある程度使えるようにしてはどうかという提案もでてきた。小規模の同人作品制作くらいは認めて、そこでクリエイターを育てるようにしてはどうか、ということである。この場合、ビジネスに影響を与える程度まで育ったら、使用料を徴収することになる。

以上のようなことから、商業的なコンテンツについては、別の形で保護してはどうかという話が出てくることになった。
著作権法をどんどん改正するのではなく、新たな制度をその上にかぶせ、そちらで保護をしてはどうかというものである。それが「上乗せ型著作権制度」の提案である。
しかし、単に上に載せるだけでは、クリエイターを育てるという理由による、「ある程度自由に使える」という環境が作れない。そこで、選択型の、別の立法を行うという話が出てきたわけだ。新しい制度に映ると、基本的な権利は保護されるし、さらなる強力な保護(権利期間の延長や、権利侵害の非親告罪化等)が与えられ、ビジネス的に運用しやすくなる(著作者人格権の問題解決、権利者を原始的に法人に定めることができる等)が、同時にビジネスに影響を与えない範囲では、コンテンツを利用させることをOKとする、などである。

実際にこの制度の要件をどのようにするかとか、まだ議論すべき点は多い。
ただ、このような議論が行えるようになったことを、歓迎したいと思っている。

新聞記事が出て1週間がたったが、業界では境氏のあの論文はどういう評価がされているのだろう。
とても気になるところだ。

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