Recent Trackbacks

August 2016
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
無料ブログはココログ

« はじめる?IPv6 | Main | gmailのスパム判定 »

2005.02.24

剽窃騒ぎ

政策空間というところに載った論文について盗作騒ぎが起きているようだ。
なんでも、白田先生がWebで公開している文書が剽窃されたらしい。
対象となった文書はこの3件だ。
白田秀彰「著作権における類似性
白田秀彰「著作権の強化におけるコメント
白田秀彰「著作権の原理と現代著作権理論

瀧野綾「8分音符はオリジナリティの夢を見るか?
瀧野綾「知的財産権はフランケンシュタインか?
瀧野綾「海賊版はなぜ悪とされるのか

どの辺りが似ているかについては、こちらのサイトで述べられているので、参照してみて欲しい。
著作権侵害を扱った投稿が著作権侵害であったと言う話 by 放談天国

ちなみに、政策空間側では、すでにこの件について、瀧野氏側が剽窃した可能性が極めて高いとして、瀧野氏の投稿を削除するという形で対処をしている。(そのため上記で紹介している記事はアーカイブにリンクをしている)
【重要】<執筆者・読者の皆様へ>(2005年2月23日更新)

現在の著作権制度では、先行する著作物について知らない場合、後発の著作物が先行する著作物に似ていたとしても、保護されることになっている。
この瀧野綾氏という方は、白田先生のことについて知らなかったと言っていて、だから盗作ではないのだと主張していると聞いたのだが、そうだとしたら、確かに独立した著作物であり、著作権侵害ではない。

ただ、この三つの文書について、それぞれ見比べてみるとわかるが、かなり酷似している。このような場合、どう判断されるだろうか。それこそ、この文書がテーマとしている「小林・服部事件」が参考になるように思う。
この事件についてはこのサイトが詳しいので詳述は避けるが、この訴訟では、①128音中92音(72パーセント)で同じ高さの音が使われている、②各フレーズの最初の3音と最後の音が全て共通している、などの理由で、「改変の程度が少ない「記念樹」の場合には「どこまでも行こう」の旋律に改変を加えたものでしかないことを明確に感得できる」などとして翻案権を侵害しているという判決が確定している。(後、「どこまでも行こう」が著名な楽曲であることも判断に大きく関わっている)

この判断をもとにするならば、多分、この瀧野氏の文書は、白田先生の文書を見ていないと言ったとしても、厳しいのではないだろうか。
何せ白田先生の文書は2000年のもので、検索エンジンでひっかければすぐにひっかかる。複製権の侵害についてはわからないが、翻案権の侵害は問われるのではないだろうか。裁判所の著名性の判断次第かもしれないが。

まあ、「8分音符はオリジナリティの夢を見るか?」での「小林・服部事件」の取り上げ方を見ると、この文書は剽窃の可能性が極めて高いとしている政策空間側の意見が正しいのではないかなと思える。
なぜかというと、この事件は「類似しているので翻案権を侵害する」という判決が確定しているからだ。2000年にでた東京地裁では、小林氏の訴えが棄却されて複製権侵害ではないという判決であったが、2002年の高裁判決で覆って翻案権(編曲権)の侵害が認められている。(複製権侵害については小林氏が主張を取り下げている) そしてその判断は2003年に最高裁で上告却下、確定している。これは確か結構大きなニュースとして新聞にもとりあげられていたように思う。

白田先生の文書は地裁の判決直後に書いたものらしいので()、東京地裁の判断を元に書いているのだと思う。しかし2004年に書かれた文書で、なぜ覆った判断を元にしているのかというのが怪しいと思う理由だ。「他人の曲の音符のいくつかを入れ換えアレンジを変えて、「別の曲だ」と主張することを認めたことになる。」……まあ、この判断自体は覆っていないかもしれない。複製権侵害について高裁では述べられていないので。でも、影響を受けているので翻案権(編曲権)侵害であるという判断はでているから、とりあえず、「現在の音楽ビジネスの基本となっている著作権制度がなし崩しになる」とまでは言えないんじゃないかな?

と、この点について疑問に思うわけだ。普通、高裁・最高裁判決がでていることくらい注記しない?って。


さて、この件を知って、現行の著作権制度についてちょっと思ったことがある。瀧野氏の書いた文書がオリジナルなものだとしたら、インターネット時代の翻案権というものがいかに創作を萎縮させてしまうものであるかの実例にもなるな、ということだ。
同じテーマについて書いただけで、著作権侵害だ!と言われる可能性があるということを、はからずも証明しているように感じていたりする。
ネットの発達によって、先行する作品を見ていないことを言うことも難しくなったように思う。研究者ならネットで検索するくらいはしているのではないか、と言われればもっともだと思うし。
そして、誰もが著作物を公開できる時代になったために、先行する著作物の数は今まで以上に膨大になってしまった……。

……まあ、裁判所だと知らないものとしてくれるのかもしれないが。
そんなことを考えてみたり。


Internet Archiveで2000年に確認できる。

« はじめる?IPv6 | Main | gmailのスパム判定 »

著作権」カテゴリの記事

Comments

こんにちは。
遅ればせながらやってまいりました。
この度は僕のブログを記事にしていただきましてありがとうございました。
TBさせて頂きます。

Post a comment

Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.

(Not displayed with comment.)

TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 剽窃騒ぎ:

« はじめる?IPv6 | Main | gmailのスパム判定 »