希望格差社会
山田昌弘,2004,『希望格差社会――「負け組」の絶望感が日本を引き裂く』筑摩書房.
この本の著者は、現在の日本では希望が二極化しているという。単なる生活状況の格差拡大ではなく、努力が報われるかどうかという「希望」が二極化しているのだ。不安定化する社会の中で、若者は努力が報われないことによって、やる気を失っていく。
全般的に考えさせられることの多い本だった。著者の言うことが正しいのかどうかは、他の説を読み合わせてみないと何とも言えないが、とても説得力があることは間違いない。
しかし……もし正しいのだとしたら、解決策というのはかなり難しいのではないだろうか。教育制度そのものから変えていく必要があるだろう。前から漠然と現行の教育制度についての問題点について考えることはあったが、この本でかなりそれが明確になってきたように思う。若者を不良債権化させないための方策をたてないといけないのだろう。
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