インターネットの法と慣習 インターネットの法と慣習
ネットワークには固有の法律があるのではないか。HOTWIREDの連載をもとに加筆・編集された本。現在一番のお薦め。(記事)

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2004.11.13

CMカット機能が著作権法違反?

どうしようもない主張をしてくれているようで。
しかし、この主張は面白い。自ら自分の権利を弱めようというのだから

CMカット機能「著作権法違反も」 日枝・民放連会長
放送された番組のCMカットは著作権法違反と主張する人
[著作権]CMカットで著作権侵害

この日枝さんというかたの主張によると、「放送は1時間すべてが著作物と考える学者もいる。いろんな問題を含んでいる」ということが、根拠になるようだ。
これは多大な問題を含む。1時間全てが著作物であると考えるならば、確かにCMも含めて著作物になるのだろう。そんな主張聞いたこと無いし、明らかにおかしいと思うがそれは置いておく。
しかし、もしそのような主張が通るのだとすれば、これはテレビ放送についてはCMを担当した人も含めた共同著作物であるということである。それぞれのCMの著作権は通常CM主の企業が持っているわけだから、それが当然だ。

ということは、放送をDVD化したりCMを差し替えたりするためには常に各企業の同意を必要とすることになる。
末廣さんが指摘するように、各企業から同意を得ないままだと、「テレビ番組をDVDで発売する時にCMを入れていない」ことや、「再放送する時に、他のCMに差し替えるのも著作権法違反になる」だろう。今までに発売されたDVD等についてこのような契約が行われていたとはとうてい思えない。
これがそのまま通るなら、企業側から著作権の主張が行われ、人気のあるDVD等についてはCMつきのまま発売せざるを得なくなるのではないか? そうではなくてもCMを載せない事による対価を主張されるのではないか?

わざわざ自分の首を絞めて何が楽しいんだろう。まあ、広告収入で収入の8~9割を得ている民放としてはそういう主張をせざるを得ないのかもしれないが、もうそろそろ新しいモデルへの移行を考えなくてはならないのだと思う。


それと……そもそも1時間全てが著作物であったとして、手元にあるDVD録画再生機でCMカットしたりすることが権利の侵害に当たるのだろうか。
少なくとも、見る時にとばしてみることは問題ないだろう。本を読むのに後書きから読もうが途中のシーンをとばそうがそれは読み手の勝手なわけで、映像だけ別ということにはならないと思う。
CMカットについては、同一性保持権の侵害ということになるのだろうか。放送枠一つで一つの著作物と考えるならそういうこともあるかな?ただ、私的複製を行う時、私たちは本の必要な一部だけを行うことも多い。それも同一性保持権の侵害だというのだろうか。

そして一番の問題は、これらの行為が同一性保持権の侵害であるとして、そのような機器を販売することは著作権の侵害、もしくはその幇助・教唆にあたるのだろうかということだ。
アメリカではベータマックス事件が合法的な利用ができれば、具体的な侵害行為を知りながらそれを止めなかったという場合を除き罪にならないとしている。この論理を受け継いでMorpheusの判決も出ているわけだし、当面、罪には問われないだろう。
では日本はどうか。もしWinnyが罪になるのだとしたら、このような機器についても違法になるのかもしれない。


著作権の強化は、科学技術の発展や経済的な発展を阻害しつつあるように思う。

12:12 PM [著作権] | 固定リンク このエントリーを含むはてなブックマーク


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» (゚д゚)マズー CNカットは著作権法違反?! [☆煩悩ぶろぐ☆ から]
なんか(゚Д゚)ハァ?な話。 ▲CMカット機能「著作権法違反も」 日枝・民放連会長(朝日新聞) 日枝久・日本民間放送連盟会長(フジテレビジョン会長)は12日の記... 続きを読む

受信 Nov 13, 2004 1:59:12 PM

» 待った無しの同一性保持権緩和 [The Trembling of a Leaf から]
 至る所で「ポカーン」と言うリアクションを起こさせているこの発言。CMカット機能「著作権法違反も」 日枝・民放連会長(asahi.com・2004.11.12)http://www.asahi.com/business/update/1112/126.h 続きを読む

受信 Nov 14, 2004 12:59:15 AM

コメント

元の主張が世迷い言であることは論を待たないとして、「テレビ番組をDVDで発売する時にCMを入れていない」なども問題になるというのは普通に考えて無理がありませんか。放送されたバージョンの「一時間全て」という著作物の著作権がどうなるかとは関係なく、CMが加えられる前の素材の著作権は当然テレビ局側が持っているはずで、DVD化等もなんの問題もないでしょう。

一方で視聴者側は放送された版しかアクセスできないために、それを容易に編集できる機器の販売に例の「同一性保持権」が関わってくるということでは?


ゲームソフトを「編集」できる(が複製とは関わりない)コードを売っていたら著作権法違反という馬鹿げた判例があったことを考えると、同一性保持権に本来触れないはずの「私的な」編集を可能にする機器に対しても一定の圧力にはなるのではないでしょうか。

また今後「インテリジェント」で「セキュア」なデジタル放送が主流となれば、弱いDRMを形式的にかけるだけで、あらかじめ許可されている以上の私的複製も編集もDRMを破らずにはできなくなる>そのための機器の販売を「技術的保護手段の回避を行うことを専らその機能とする装置」云々や今後追加されるであろうDMCA類似規制で妨害する、という合わせ技もこれまで以上に使われるでしょう。

ゲーム改造コードの販売者はあきらかな弱者だったから訴訟という形になりましたが、権利者団体と機器メーカーのあいだの談合で、市場の審判が届かない場所でいつの間にか消費者に不利益な取り決めができるという現状を思えば、明らかな世迷い言も十分深刻なものに思えます。

投稿者: みそさざい (Nov 14, 2004 7:10:04 AM)

放送局は一つの素材から二種類の著作物を作り、片方はCM入りのもので放送で使用され、片方はCM抜きのものでDVDで行うと。

なるほど、それならわかります。確かにそれなら、DVDに収録される際の問題等は起きないですね。

もしこの考えが認められたら、私も同一性保持権の問題は起きてくると思います。ときめも事件に似た形にもなるでしょうから。
ただ、ときめも事件がストーリーを変更するということを含めて言われたのに対し、CMカットがそういう効果を持つのかというと、違うでしょうから、そのまま適用できるかというと怪しいと思いますが。


まあ、この考え方が成立するかというと……しないと思います。が、だれなんでしょうね、こういう主張をしている人って。私は聞いたことがないのですが。

みそさざいさんが指摘しているコピーアットワンス関係の問題の方が、今後は起きそうで、かつ、怖い問題なのかもしれません……。

投稿者: kira (Nov 15, 2004 4:37:36 PM)

コピーアットワンス?

投稿者: (Dec 4, 2004 10:32:35 AM)

はじめまして。ある企業にアイデアを真似されて、困っております。法律に触れないのかどうか知りたいのですが、私には知識がございません。もしよろしければ、ご教授いただけないでしょうか?

http://ameblo.jp/owaraisapuli/entry-10004524956.html

投稿者: お笑いサプリ (Sep 23, 2005 2:47:18 PM)

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