インターネットの法と慣習 インターネットの法と慣習
ネットワークには固有の法律があるのではないか。HOTWIREDの連載をもとに加筆・編集された本。現在一番のお薦め。(記事)

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2004.03.23

法の下の平等

日本で訴訟を起こす場合、目につく人間数人を訴えるという方法をとることが多い。
WinMXの時には公然と、「付加価値の高い、ビジネス向けアプリケーションソフトを扱っている」、「公開しているソフトの本数が多い」、「常時的に継続して公開を行なっている」などの「特に悪質的および故意であったユーザー」を逮捕している。

しかし、アメリカではそういう方法をとることができないらしい。

アメリカでは、そういう目につく人間、目立つ人間だけを訴えるという方法は、法の恣意的な運用であるとして、法の下の平等に反するという抗弁が可能なのだそうだ。何でオレだけ訴えるんだ、他にもいっぱい同じことしている奴らがいるだろ、とね。そして、そういう法の恣意的な運用は憲法違反になりうる。
となると訴える側としては、一気にたくさんの人を訴える、もしくはそういう姿勢を見せなくてはならない。違法な人全員を訴えるというのは訴訟費用の問題などもあるし無理があるから、合理的な努力の範囲内で訴えることになる。その結果が、KaZaAの大量摘発につながっている。

日本的一罰百戒との違いが、影響をもたらしていることは多いだろう。
日本では法のグレーゾーンが結構放置されているところがあるが、アメリカではすぐに白黒はっきりさせられてしまいかねない。同人誌のような文化が存在するのは、目についたものだけが摘発されるから、この程度なら大丈夫だろという範囲でやっているということではないだろうか。ポケモン同人誌事件も結局あれ以上にはならなかった。アメリカで同様のケースがあったら、それをきっかけにほとんどが消されてしまっていたのかもしれない。

そう考えていくと、レッシグ教授が感じる危機感が結構理解しやすい。
逆に、日本でCCなどに興味を持つことが少ないのは、摘発が始まってから採用を呼びかけてもいいだろとか、摘発されるにしたって運の悪いやつが一人捕まるだけ、という考え方が根底にあるからだといえるようだ。レッシグ教授は「それでは遅すぎる」というのだろうが、日本ではそれでも遅くないかもしれないどころか、そっちの方が普及しやすいかもしれないわけだ。
レッシグ教授の危機感は、グレーゾーンを維持し続けようと日本がしていく限り、ストレートに当てはまるともいえないということも言えるかもしれない。

そして、CCがグレーゾーンを消していくので問題であるという意見がある。同人の場合などには白黒はっきりさせると困る場合が多いかもしれないというものだ。
特にエロ同人誌界隈。あそこは児童ポルノの問題も絡んでわけわかんないし、私はエロ同人にほとんど手を出していないのでどの程度コアなのかわかんないからなんともいえないが・・・今度先輩にインタビューでもしてみるか。1コミケあたり十数万は軽く使う人だし。
CCは特に日本版では改変の範囲をある程度決めてしまうようになっている。それによって排除されてしまう同人って結構あるのだろう。またCCをある程度のメーカーが採用しはじめた場合、採用しておらず使用規定も存在していないメーカーの同人誌が排除されていくと言うこともあり得る。まあ、それ以前に現行CCではメーカーは採用しないと思うが。無料コピーOKだし。やっぱりCeMみたいな選択肢がないとな・・・。

なんかさっきから話題がずれまくってるが、とりあえず、CCなりなんらかのライセンスの採用によって、同人市場が狭くなってしまうということもありえなくはないという話だ。
ついでに、CCのライセンスにもグレーゾーンが存在するが・・・この日本特有の事情が一番問題になりそうだ。

原著作者及び実演家の名誉又は声望を害する方法で原著作物を改作、変形もしくは翻案して生じる著作物は、この利用許諾の目的においては、二次的著作物に含まれない。

この部分だ。エロ同人界隈はこれを根拠に消されかねない。
この辺、アメリカのCCだと改変はどんな形でもOKだから、むしろエロ同人界隈では嬉しいのかもしれん。
運用次第、になってしまうわけだな。このへんは。

文化的な違い、慣習の違いを考慮に入れて普及していかないといけない、というくらいで今日の記事は終わらせておこう(苦笑)


これまた昨日の茶会ネタ。いつも思うが、茶会のログをそのまま文章化するだけで毎回一つ以上の記事ができあがることになる。
検証作業が大変だからだれもやろうとしないだろうが。ついでに、常に悲観的な終わり方をするのでげんなりしてやる気がでないというのもありそうだ(苦笑)

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